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有料AIは90件から18本を選び、無料AIは5本しか選ばなかった実測比較
無料AIと有料AI | 同条件で実測

無料AIと有料AI、業務で使うと何が違う?同じ仕事を同条件で任せて実測比較

公開 2026.08.17更新 2026.09.04同じ素材90件・同じ指示文実運用の社内メールで検証

「無料のAIで十分では?」——法人のAI導入相談で、ほぼ必ず出る質問です。そこで、当社が毎朝6時に自動配信している社内ニュースメールの生成AIを、有料のClaude Sonnetから無料のLlama 3.3 70Bに切り替えられるか、同じ日・同じ素材・同じ指示文で両方に作らせて読み比べました。結果は数字ごと公開します。

この記事でわかること
  • 無料AIと有料AIで差が出た仕事
  • 料金ではなく「判断の重さ」で選ぶ基準
  • 小さく試して本番導入する順番
結論

差が出たのは、文章力ではなく「判断」。

無料AIは形式を完璧に守り、速度はむしろ速い。しかし「90件から重要な18本を選ぶ」という仕事を放棄しました。形式が決まった作業は無料AIで十分。選ぶ・切り捨てるという判断が入る業務は、品質にお金を払う——当社は切り替えを見送りました。

検証した業務と条件

対象の業務毎朝の社内ニュースメール

AI・副業・起業・投資などのニュース記事を自動で約90件集め、AIが重要なものを選んで日本語で要約し、毎朝6時にメールで届けています。

比較した2つ有料 vs 無料

現行のClaude Sonnetと、Cloudflare Workers AIの無料枠で動かしたLlama 3.3 70Bを比較しました。

そろえた条件同じ日・同じ素材・同じ指示

2026年8月17日の同じ素材約90件を、同じ指示文で両方に渡しました。違うのは「どのAIが書くか」だけです。

実測結果:数字はここまで違った

項目有料:Claude Sonnet(現行)無料:Llama 3.3 70B
文字数3,744字893字
選んだ記事の数18本(各テーマ4〜5本)5本
素材があるのに「該当なし」と報告なし副業・起業のテーマで発生(素材は各10本あった)
テーマの混同なし投資の枠にSNS投稿を配置
リンク(URL)の捏造0本0本
生成コスト検証時の従量課金あり無料枠内
生成速度数十秒(筆者環境)10.7秒

無料AIが守れたこと——「形」は完璧だった

先に、無料AIを正しく評価します。指示したテンプレート通りにテーマごとの見出しを立て、リンクの捏造はゼロ。要約の日本語も自然で、生成は10.7秒と現行より速い。「決まった形式に流し込む」仕事なら、無料AIは十分に実用レベルでした。

崩れたのは「選ぶ」仕事

問題は中身です。無料AIの出力の該当部分を、実物のまま載せます。

無料AI(Llama 3.3 70B)の出力・実物の抜粋
### 💼 副業
- 該当なし

### 🚀 起業
- 該当なし

この2つのテーマには、その朝それぞれ約10本の素材記事を渡していました。素材はあるのに「該当なし」。人間の部下に例えるなら、資料の山を渡したのに「特にありませんでした」と報告してくるのと同じです。全体でも90件の素材から5本しか選ばず、出力は893字。現行のClaude Sonnetは同じ素材から18本を選び、3,744字で届けました。

この業務の本体は、要約の文章を書くことではありません。「90件の中から、事業者に効く18本を選ぶ」という判断です。無料AIは、その本体業務を静かに放棄しました。しかも形式は完璧なので、毎朝流し読みしていると「今日はニュースが少ない日か」と気づけない。判断を任せると事故るのは、こういう静かな形です。

無料AIの隠れた制約——一度に読める量が小さい

もうひとつ、実際に触らないと分からない制約がありました。無料で使えるAIの多くは、一度に読み込める文章量(記憶力のようなもの)が有料AIより小さいことです。今回の素材は全部で約4万字あり、そのままでは無料AIに入りきらず、事前に各テーマ10本まで絞り、説明文を短く圧縮してから渡しました。その下準備をしてなお、この結果です。「無料に切り替えるだけ」のつもりが、切り替えのために追加の仕組みが必要になる——ここも見積もりに入れておくべきコストです。

「無料」の中身を正直に書きます:今回の生成はCloudflare Workers AIの無料枠内でした。ただし、運用基盤やニュース取得まで含めて費用が一切かからない、という意味ではありません。無料枠・料金・対象モデルは変わるため、導入時は各社の公式ページで確認してください。

使い分けの基準:任せていい仕事、ダメな仕事

無料AIに任せていい仕事

形式が決まっていて、間違えても損害が小さい仕事。

  • 定型文・お知らせ文の下書き
  • 社内メモの整形・言い換え
  • お客様向けの無料特典コンテンツの量産

品質にお金を払う仕事

選ぶ・優先順位を付ける・切り捨てるという判断が入る仕事。

  • 自分の意思決定に使う情報の収集・要約
  • 提案書・見積もりの根拠づくり
  • 顧客に直接届く文章の生成

小さな費用を抑えるために、毎朝の意思決定の材料の質を落とす——今回の検証で見送ったのは、この交換です。逆に、失敗しても影響が小さい定型作業なら、無料AIへの切り替えは十分に合理的でした。「どのAIを使うか」の前に「その業務に判断が含まれるか」で分ける。これが実測から得た基準です。

公式情報

NEXT GUIDE

AI導入は、製品比較より業務の分解から。

何を減らし、どこまでAIへ任せるか。小さく試す順番を整理します。

中小企業のAI導入の順番を見る
株式会社ネオクロス代表取締役 あらむ
株式会社ネオクロス 代表取締役

あらむ|AI駆動エンジニア

AI lineの会員基盤・コース教材・毎朝のニュース配信をAIと実装し、自社運用しています。今回の検証は、実運用中の配信システムに同条件のテスト経路を足して行いました。

YouTubeで実装を見る質問があれば公式LINE
※本記事の実測値は、2026年8月17日に同条件で1回ずつ生成して比較した、筆者の使用範囲での結果です。AIモデルの性能・料金・無料枠は変更される可能性があります。料金・無料枠は2026年8月17日に各社公式情報を確認しました。生成コストの比較は要約・選定にかかる費用のみで、ニュース取得の費用(元々0円)は含みません。